2023年度中に新NISAの資金は入り始めていた?

銘柄選び

ついに個人投資家への素晴らしい税制優遇制度、新NISAが始まりましたね。結構、株式制度に詳しい人がもう23年度中に新NISAの成長枠で高配当株の仕込みをしていたのかもしれません。

株式市場の2024年の最初の取引日

みなさんは2024年度の最初の取引日はいつかご存じですか?2024年度の最初の取引日は実は1/4の大発会ではなくて23年12月28日が最初の取引日になります。この時間差は株式の受け渡し期間が影響しています。

株式の受け渡し期間

権利落ち日と似たようなものなのですが、株式を購入しても実際には購入してから2営業日後に株式は受け渡されるため、28日に購入した銘柄が実際に口座移管されるのは1/4になるので新年度の最初の取引が12/28になるというものです。2023年の最終取引日は12/29でしたので、23年度中に購入できる日は12/27が最終日で12月配当権利落ち日と同じ日でした。楽天証券の新NISAの取引開始可能日を詳しく書いたサイトを下記に添付しておきます。

2024年新NISAでの取引開始可能日について | 楽天証券 (rakuten-sec.co.jp)

新NISAの資金が入ったとなぜ思うか?

先ほどの楽天証券の新NISAでの取引開始可能日というのは、あれ?おかしいな?と思って調べたらやっぱりそうかと思って見つけたものです。なぜ、新NISAの資金が入り始めたと思ったかというと、2914:JTの株価の値動きを見ていて気付きました。

2914:JTの配当権利落ち後の値動き

私はJTの株を2000株ほど保有しています。個人投資家ならだれでも知ってる高配当銘柄ですね。夢の高配当生活を実現するのに不可欠といってもいい銘柄かもしれません。例年、配当権利落ち後は配当額以上に株価は下がるのですが今年はかなり違った動きをしていました。昨年度の動きを下にテーブルで示しました。22年の権利落ち日は12/28でその時の配当が113円/株でした。12/28の終値が2843円だったのに対し、次の日は2676円と167円も値下がりしています。やはり配当額以上に値下がりし、その後も値下がりは続き、年明けには200円以上も値下がりしました。そして元の水準に戻ってきたのが4月の中旬。およそ3.5月を必要としました。

日付始値高値安値終値
22/12/272850285628412847
22/12/282860287128422843
22/12/292725273126652676
22/12/302657269126552661
23/01/042641264726012607
23/01/052609262826062617
23/01/062615262726092610
2022年末のJTの値動き

次は22年末の動きに対して23年末の動きについてです。今年のJTの期末配当は94円/株で、12/27が権利落ち日でした。配当が確定した後、12/28は前日比130円の下落でスタート、安値は朝方のみでどんどん株価は上げ、3612円で終了。結局107円安でした。次の日から値を上げ、わずか3営業日後の1/5には権利落ち前の水準に戻っています。

日付始値高値安値終値
23/12/263745374737123727
23/12/273732374937043719
23/12/283589364235883612
23/12/293612366236123645
24/01/043645371036293709
24/01/053713375737123757
2023年末のJTの値動き

これが、新NISAの資金が高配当株の銘柄に入ってきたのではないかという根拠です。出来高も権利落ち前後で大幅に伸びていますね。

他の高配当株でも同じことが起こっている?

12月権利月の高配当で有名な銘柄でも同様なことが起こっていました。

  • 1605:INPEX 12/27 終値 1974円 1/5 終値 1981円
  • 5105:TOYO タイヤ 12/27 終値 2400円 1/5 終値 2356円
  • 5214:日電硝子 12/27 終値 3066円 1/5 終値 3108円
  • 5201:AGC 12/27 終値 5368円 1/5 終値 5334円
  • 7272:ヤマハ発動機 12/27 終値 3928円 1/5終値 1309円(3927円)

上記の銘柄は1/5時点でほぼ権利落ち前の価格水準に戻っています。ヤマハ発動機は株式分割を実施したので株価は下落しているように見えますが実質同額です。ただ、12月配当銘柄すべてが権利落ち前の水準に戻っているわけではないようです。同様な高配当銘柄である4248:竹本容器、4595:ミズホメディー、6411:中野冷機、2986:LAHLDなどは例年通り配当落ち後しばらく安値に沈んでいる様子。共通項で言うと高配当かつ時価総額が大きい企業が今回の対象になったよう気がします。

この傾向を踏まえどう動くか?

実際に新NISA関連の資金流入が権利落ち後の株価押し上げになったかどうかわかりませんが、今後の取引のヒントになるのではないかと考えます。これは私の予想ですが、今年は時価総額が大きく、高配当な銘柄が上がりやすいのかもしれません。時価総額が5000億円以上の高配当銘柄のリストを作成しました。(1/5終値基準)

順位銘柄コード銘柄名株価配当金額配当利回り新年度上げ幅上昇率
15021コスモエネルギーHD5924円300円5.06%173円3.01%
22914JT3757円188円5.00%168円4.68%
35938LIXIL1844円90円4.88%99円5.67%
49434ソフトバンク1811円86円4.75%61円3.49%
55406神戸製鋼所1948円90円4.62%140円7.74%
65334特殊陶業3515円160円4.55%193円5.81%
77202いすゞ自動車1917円86円4.49%125円6.98%
85401日本製鉄3384円150円4.43%205円6.45%
94502武田薬品工業4288円188円4.38%263円6.53%
105411JFEHD2310円100円4.33%141円6.50%
12/28始値から1/5終値基準で算出

自分の持っている銘柄もいくつかありますね。JT、特殊陶業、日本製鉄などがそうですね。時価総額が大きく、高配当な銘柄は新年度の上昇率は平均で+5.69%と同一期間の日経平均(-0.30%)、TOPIX(+1.70%)を大きくOut performしていることがわかりました。新NISA資金は時価総額が大きく高配当な銘柄に向かっているという予想は当たらずとも遠からずな感じではないでしょうか。自分で気になった銘柄は上昇率がほかの銘柄と比べて低いコスモエネルギーHDとソフトバンクが気になりますが、コスモエネルギーHDは買収防衛のための一時的な高配当化かもしれませんし、ソフトバンクは高すぎる配当性向が気になるため、自分では購入しないですかね。銘柄としていいなと思っているのはいすゞ自動車、神戸製鋼所ですが同業種の銘柄を持っているのでパスですかね。11位より下の銘柄で良い銘柄がないか探っていこうと思います。

まとめ

  • 新NISA関連の資金流入は昨年末から入ってきている可能性が高い
  • 高配当だからと言って資金流入が多いわけではない様子。
  • 時価総額が高く高配当な銘柄は新年度開始後、日経平均、TOPIXをOut performしている。
  • 新たに購入する可能性のある銘柄は高配当上位から外れた銘柄から探していく。


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